山崎です。
いつも協会のホームページをご覧いただきありがとうございます。
今回は、私たちが職種をお伺いする理由についての記事の続きです。
ロープ高所作業をお勧めしたい職種、電気通信工事業についてふれてみたいと思います。
電気通信工事業と言えば、高所作業車の作業、胴綱による電柱に登っての柱上作業、中継基地局工事、などが代表的な作業内容でしょう。
広い意味では、電波塔・鉄塔の塗装、補修も電気通信工事の範囲に含まれるのかもしれません。
携帯電話基地局の例(左:鉄塔タイプ、右:ビル設置タイプ)
総務省パンフレット「携帯電話基地局とわたしたちの暮らし」より
まず、それらの工事に携わるために必要な資格には、どのようなものがあるか調べてみました。
電気工事の資格として第二種電気工事士、工事担任者、電気主任技術者など。
さらに通信関連工事の場合、電気通信主任技術者か陸上無線技士の資格がないと出来ない作業もあり。
作業する場所・扱う対象物によっては高所作業車やクレーンの技能講習や、電力会社による認定資格も必要になってくるようです。
正直、思った以上に種類が多くてびっくりしました。
このうえ更に、ロープ高所作業を学ぶメリットはあるのでしょうか?
こんな時に・・・ロープ高所作業!
実は、あるんです。
具体的な作業の一例をあげて説明してみたいと思います。
「通信会社からの申し入れで、マンションの屋上に携帯の基地局を設置した。」
こんな話、良く聞きますよね?
マンション屋上に設置される基地局からは、地上に向けてケーブルが通っていて、配線は外壁に取り付けられる事も多く、ダクトのようなもので保護されています。
景観の事も考えて、配管類は目立たぬよう隣接した建物側に隠すように取り付けてある事も多く見受けられます。
そして基地局を使用するためには、設置工事後の定期的なメンテナンスが不可欠となります。
当然、外壁にとりつけたケーブル類についても同様に保守・点検が必要です。
マンションの狭い隙間にケーブルを取り付けたり、設置後の定期メンテナンスを行なおうとして、
「隣の建物との距離が近すぎて、高所作業車や足場が入れない」
「地上からはしごにのっても届かないし、屋上や窓からも届かない」
・・・こんな時!ロープ高所作業の出番となります!
上の事例のような、隣接する建物との間隔が狭いなど足場や高所作業車が入れない箇所以外にも、
・ 鉄塔内で足場のない箇所
・ 防犯上や景観上の観点からマンション側が足場架設を嫌うケース
・ 点検作業にいちいち足場を組むような費用がない、時間が取れないなどのケース
など、ロープ高所作業でないと出来ない作業も少なからずあるのです。
ロープにぶら下がる姿に不安を感じる?
また、導入に踏み切れない理由として、ロープにぶら下がる姿に不安を感じるという意見もあります。
が、ロープ高所作業は、不安定な体勢だからこそ、入念に準備を行い、安全に十分に配慮した装備で、確実にできるためのルールを作り、作業を行なっています。
足場を組むまでもない場合で屋上からぎりぎり足や手が届くような状態で、不安定な体勢で作業を行なう場合にも、ロープの技術があれば安心ですし、作業効率も良いと考えています。
幸いにも
と言うのはおかしいかもしれませんが、法改正によりロープ高所作業特別教育が始まったおかげで、ロープ高所作業を安全に行うための決まりごとが明確となりました。
世間での「ロープ高所作業」自体の認知度も高くなりつつあるのではないでしょうか?
今のところ、電気通信工事業界ではロープ高所作業はあまり浸透していないかもしれませんが、先取りしておけば、高所作業車が入れない、足場が使えない場所での仕事がきても、困ることはありません。
高所作業の方法はいくつかありますが、選択肢に「ロープ高所作業」があれば、仕事の幅がグッと広がります。
作業員の技術力の高さと安全に対する姿勢をアピールすれば会社の強みとなりますし、他社との競争では圧倒的に有利になるでしょう。
ただし
特別教育は安全に作業を行うための最低限の講習です。
法律上は特別教育を受講していれば作業を行なう事ができますが、特別教育を受講するだけで、すぐに実践レベルの技術が身につくというわけではありませんので、ご注意願います。
まとめ
今回はロープ高所作業が電気通信工事業でどう活用できるか、という事に重点をおいて記事を書いてみました。
今後もロープ高所作業が活躍しそうな業種や事例など、あれば取り上げてご紹介したいと思います。
ありがとうございました!