NSC

2021年 ロープ高所作業協会のプロジェクト 1

今回は、水俣条約に関して第三弾となりますが、これから協会として行っていくプロジェクトに関して書かせて頂きます。

水銀灯からLEDへの更新工事が本格化してきました。

2020年8月、協会の理事であるケンテックシステムズは、大手電気設備工事会社様の元で自動車メーカーの工場内にある水銀灯をLEDへ交換しました。

工場内には、億単位の工作ロボットが並んでいるためビス1本の落下も許されず、その頭上で作業を行わなくてはならなかった為、非常に神経を使いました。

お陰で、普通の体育館や倉庫とは違った、とても多くのノウハウを得ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、大手LEDメーカー様から、日本中の体育館に設置してある水銀灯の交換工事を依頼されております。

当然、現在の協会の規模では工事を請け負うことも、ロープが使える電気工事士の方を紹介する事もできません。

そこで、来年2021年初頭から、協会の理事や会員を募集し、新たな資格(例として「NSC 電気工事士」)を創設し、協会員の方に対しては、ロープと電気工事の講習を行い、LED更新工事の安全性を担保していこうと考えております。

そして、理事や協会員である、メーカー様や元請工事業者様に対しては、弊会で講習を受けた資格保持者の方を紹介していくようなシステムを構築するつもりでおります。

ロープの講習に関しまして、元々弊会では NSC講習を行っていますので、NSC講習を元に、体育館や工場、倉庫用に特化したロープ技術(今まで培ったノウハウ)を伝え、電気工事に関しては、実際の倉庫でロープにぶら下がり、水源灯からLEDへの交換工事を行って頂く、LED更新工事に特化した内容にするつもりでおります。

更に、今までのノウハウである落下させない機材の使用方法や、PCB廃棄物の保管廃棄方法、ケンテックシステムズが保有する、LED更新工事を楽に行うことができる機材、「NSCパワーアッセンダー」「NSCロープフッキングデバイス」「NSCワイヤーフリクションセーバー」「NSCドローンウエイト」など数々の特許技術を会員の皆様限定で提供いたします。

これから、弊会の会員になられます電気工事士の方へ、LED更新工事に必要な電気工事士の資格についてお知らせいたします。。

前回のブログで、LED更新工事に必要な資格は、第二種電気工事士で良いと記載しましたが間違っておりました。

誠に申し訳ございません。

倉庫や体育館、工場などの自家用電気工作物の工事(LED更新工事含む)を行う為には、第一種電気工事士若しくは、認定電気工事従事者の資格が必須となります。

よって、第二種電気工事士を保有している方は、第一種電気工事士若しくは、認定電気工事従事者の資格を取得して下さい。これは必須条件となります。、

 

その他、協会の事業として、今後は消防士の方には無償で会員になって頂き、全国の高名な消防士の方を講師に招き、レスキュー講習や訓練を行っていこうと考えております。

以上、協会のプロジェクトに関してご興味のある方は、協会のお問い合わせ欄からご連絡のほど、よろしくお願い申し上げます。

(一社)ロープ高所作業協会
代表理事 小倉健二

熱中症と空調服の危険性!

ダブルチェストアッセンダー

みなさま、ご無沙汰しております。

今回は、熱中症と空調服に関して、今更ですが私の経験をお伝えしたいと思います。

現場は真夏の自動車工場内、作業内容は 水俣条約による「水銀灯からLEDへの交換工事」です。

今回、生まれて初めて熱中症対策である空調服なるものを買ってみました!

M社の2万円以上するタイプです。

購入した空調服は、フルハーネス用で半袖タイプ、空調服の背中側からモバイルフォールアレスターを取り出すことができるタイプです。

問題はフロント側のチェストアッセンダーですが、最終的なリスクを考えた際、熱中症の方が危険だと判断し、ペツル社のトルスを使用し、ダブルチェストアッセンダーで運用しました。

トルスは元々シットハーネスにチェストアッセンダーを取り付ける機材なので、登高もトラバース(水平エイドクライミング)も問題はありません。

いざ、作業開始!

ロープフッキングデバイス(特許取得中)を使い鉄骨の梁にロープを掛け、NSCPAで登高し、空調服のスイッチをON!
これで、快適な職場環境の実現ができるはずでしたが。。。。。

結果は、作業中に熱中症になりかけてしまいました。(おかしいと感じた時点で直ぐに下降しましたので、問題はありませんでしたけどね。)

熱中症になりかけた理由は、空調服の利点である、汗を乾かしてしまう機能です。
空調服を着用中、常に汗をかいていれば、気化熱の影響で体温を下げてくれます。

しかし、汗が乾いてしまえば、空調服の中へ送られてくる風の温度は、30℃以上になり、私達はフルハーネスを着用していますので、身体の場所によっては、風も送られず体温が上がって行くだけとなります。

実際に体調が悪くなったとき、空調服の中に着ていたTシャツは、完全に乾いていました。

気化熱を利用する冷却方法ですので、Tシャツが乾いていれば、その機能を発揮できません。

お陰で現場が進まず、どうすれば、私の身体に合った熱中症対策があるのか考えました。

まず、作業前に作業服自体を水で濡らすこと。
これだけで、体温がかなり下がります。

次に、水分とミネラルを、余分と思えるほどに補給すること。

Tシャツが乾いていた原因は、僕の水分補給が足りなかったことも原因です。

そして、ミネラルウォーターだけ補給しても、体内のナトリウム薄められ、水中毒となり余計に体調を崩します。

ですので、必ずミネラルも同時に補給しなくてはなりません。(今回はポカリスエットに頼りました。)

水分の取り方も工夫をして、5分タイマーを行いました。
下方の作業補助員の方に、5分ごとに声を掛けて頂き、5分ごとに水分を補給することにしました。

飲む量も、一口ではなく、できるだけ多く飲むように心がけました。

そのように工夫をした結果、今まで現場で丸1日働いていても、トイレに行くことが、ほとんどない私でしたが、今回は大量の汗をかいているにもかかわらず、午前と午後に1回ずつトイレに行くことができるようになりました。

そして、作業服も常に汗で濡れている状態となり、体温の上昇を抑えることができ、無事に全ての作業を終わらせることができました。

元々、僕ら空調屋は真夏の折板屋根の屋根裏(気温60℃以上)で、作業を行ってきましたので、暑さには強いはずだったのですが。。。

今回のことは、これからロープ工事を行っていく上で、とても貴重な経験となりました。

更に、トラバース先で事故をおこした際の救助方法も真剣に考えましたし、セルフレスキューの必要性も再認識しました。

最近、様々な熱中症対策製品が販売されていますが、くれぐれもご自分の体質に合ったものを選ぶようにして下さい。

それでは本日はこの辺で。
皆様、ご安全に!!

追伸です。

  写真は、ベンチシートのり付けに、ペツル社のオムにを使っている様子です!

セルフレスキューの必要性

セルフレスキューの必要性(たった3分…)

小倉です。

今回は、セルフレスキューの必要性について書いてみたいと思います。

フルハーネスの危険性

私たちは、基本的にフルハーネスを着用しています。

フルハーネスを着用しONロープ状態で身体の力を抜くとどうなるか。

ロープ高所作業特別教育やNSC講習では、いつも受講生の皆様に試して頂いておりますが、大体の方は、頭がお腹よりも下がり、頭に血が上り呼吸が苦しくなってきます。

更に続けると、手足がしびれてきて。。。と、さすがにそこまでやったことはありません。

下手すると本当に死んでしまいますので。。。

一般的に、ロープ高所作業(ロープアクセス)中に意識を失えば、人は3分から15分で死亡すると言われています。

そして、たとえ意識を失わなくとも、ONロープ状態が続けば、人は15分から30分で死亡するとも言われています。

そのように短時間で死亡する原因は、フルハーネスを着用していることによる四肢の圧迫です。

2つの症候

圧迫による症状により、2つの症候に分けられます。(以下、お医者さんや消防士さんの受け売りです。)

1. エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)

  ONロープの状態で意識を失い身体の動きが止まれば、フルハーネスのレッグループで締め付けられている足の血液の循環が悪くなります。

そうすると、血液は濃くなって固まりやすくなり、この状態が続くと、脚(主にふくらはぎ)の静脈内に血の塊(血栓)ができます。

これを、深部静脈血栓症と呼び、静脈内にできた血栓はしだいに大きくなり静脈から剥がれ、血流にのり肺動脈や肺に流れます。

この血栓が肺動脈をふさぐことを塞栓(そくせん)といい、この状態を急性肺血栓塞栓症と呼びます。

小さな血栓が肺動脈につまった場合は、肺へ流れる血流が低下し、肺でのガス交換が不十分となるため、息切れ、胸や背中の痛みが生じます。

しかし、大きな血栓がつまった場合には、肺へ流れる血液が著しく低下し、肺でのガス交換ができなくなるだけでなく、血圧が低下し死亡すると言われています。

2. クラッシュ症候群(挫滅症候群)

ONロープの状態で意識を失い身体の動きが止まれば、フルハーネスにより四肢の筋肉が圧迫されます。

そして、筋肉が圧迫されると、筋肉細胞が障害・壊死を起こし、それに伴いミオグロビン(たん白質)やカリウムといった物質が血中に混じり毒性の高い物質が四肢に蓄積されます。

その後、救助などで圧迫されていた四肢が解放されると、血流を通じて毒素が急激に全身へ広がり、心臓や腎臓の機能を悪化させて死亡すると言われています。

更に怖いのは、例えその場で一命をとりとめたとしても、腎臓にもダメージを受け、その後に腎不全で死亡する可能性があるそうです。

もし、クラッシュ症候群が疑われる場合は、ドクターヘリを読んで、その場で輸液を行ってもらって下さい。

心停止

事故や病気による心停止に関して。

僕が聞いているのは、心臓が心室細動の時は、まだ心臓内の筋肉に酸素が残っている状態である。その心臓内に残った酸素は約3分で無くり、その後、酸素が送られなければ、もう二度と心臓は動き出さない。と。。。

たった3分です!!

AEDを使えるのは心室細動の時だけです。止まった心臓に対しては、AEDは働きません。

仲間(要救助者)が事故を起こしたばかりなら、とにかく上げるか下ろすかして、心臓マッサージと人工呼吸を行うことが重要です。

現場にAEDがあれば言うことはありません。

セルフレスキュー

何はともあれ、事故(病気も含む)があれば、まず119(消防)へ連絡をします。

できれば、救助者とは別の人間が119(消防)へ連絡することが望ましいです。

救助者は、事故を起こした仲間(要救助者)を迅速に上げるか下げるかしなくてはなりません。

(フルハーネスに長時間ぶら下がっていた場合は、上げた場合はONロープ状態を維持する、下げた場合は下げきらないことも重要になります。)

ただ、場所にもよりますが、実際に300mの高所で作業を行っていて、どのくらいの時間で下ろすことが可能でしょうか。

最初からレスキューシステムが組んであれば、下ろすだけなら3分(約、秒速1.6mちょい)で下ろせるかもしれません。

ただ、上げるとなると人力では不可能です。

弊社の場合は、現場に必ずNSCパワーアッセンダーがありますので、分速15mとして約20分で上げられます。

(分速15mは、充電ドライバーが2000回転としてです。充電ドライバーが4000回転なら分速30mで上げられます。)

が、3分には間に合いそうにありません。齊藤君、ごめん。。。

 

あ、齊藤君はまだ生きてました!!

事故時はもちろん、ただの熱中症でも上記のような症候群が考えられるため、できるだけ迅速に消防が来られる場所まで仲間(要救助者)を移動させることが重要です。

その仲間(要救助者)を移動させる技術をセルフレスキューと呼びます。

フルハーネスを着用している以上、救助に掛けられる時間は限られています。

ロープ高所作業(ロープアクセス)を行う以上、自分達の命は自分達で守ると言うことを肝に銘じ、必ずセルフレスキューを学んで下さい。

セルフレスキュー後

消防士さん達に仲間(要救助者)を引き渡すのはもちろんですが、そこまでの経緯を細かく伝えて下さい。

特に、事故後のフルハーネスでぶら下がっていた時間をできるだけ正確に伝えて下さい。

 

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

NSC Novice 講習(3日間)

小倉です。  

先日、NSC Novice 講習を行いました。

今回の受講生は、ケンテックのお客様で、協会のロープ高所作業特別教育を受講された方です。

NSC講習は、受講生2名に対し、私とアシスタントに齊藤が付き、マンツーマンで講習を行います。

弊会の講習は、基本的に職人に対して行いますので、とても厳しく講習の途中で脱落する方もいらっしゃいます。

初日(8時から18時まで。)

まず教室で、ロープ高所作業特別教育のおさらい、ノット15種類、NSCの説明、ロープアクセス技術の説明、フォールアレスト6kNとシステム15kNの説明など。

そして最も大切なアンカーの説明と構築方法を伝えます。

(毎度のことですが、アンカーは自分で決めるしかなく、アンカーを決めるためには、アンカーを知らなければなりません。

アンカーを知るためには、自分が使うであろうアンカーの勉強をすること、そして実際に経験する事が大切です。)

午後からは、屋上の鉄骨を利用して水平にロープを張り、登下降の組み替えを100回、身体で覚えるまで繰り返してもらいます。

(初心者が垂直ロープで登下降の練習を100回行うと、それだけで身体が壊れますので、まずは水平に張られたロープを使用します。)

そして、頭で考えずに組み替えができるようになってから、やっと垂直ロープに触れます。

垂直ロープでも、また同じように組み替えの練習です。(組み替えはチェック、チェックです。)

初日の最後は、登高器での下降、下降器での登高、ロープから別のロープへの移動、ロープの途中にノットを結びそれをクリアしながらの登下降を練習して終了となります。

受講生の方は、ホテルへ帰ったあとも、ひたすらイメージトレーニングとノットの練習…のはずです。

 

 

 

 

 

 

二日目(8時から20時まで。)

午前中は初日のおさらいから始まり、ロープガードの通過、エッジを乗り越え登下降、リビレイ、ディビエーションの説明を行い、各自、できるまでひたすら練習します。

午後、15時の休憩後はNovice用セルフレスキューを教えます。

要救助者がONロープで熱中症になったと想定し、救助者が別のロープセットを使い要救助者を伴って下降する方法です。

そこで、NSCパワーアッセンダーの実演も行います。

既に、登高や人を引き上げる大変さを知って頂いているので、NSCパワーアッセンダーの能力にお二人とも納得!!

それが18時すぎまで、そこから20時までその場で懇親会です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三日目(8時から17時まで。)

朝一でノット15種類のテストを行います。

できなければ先へは進めませんので、皆さんちゃんと覚えてきます。

(ノットに関しては、講習前にテストを行う15種類をメールで伝えていますので、お二人とも完璧です!!)

そして、ロープアクセス技術のテストです。

(当たり前ですが、これに合格しないと、ビルの外壁へは出られません。)

1点だけマイナスがありましたが、お二人とも難なくテストに合格!

ここから、アンカーの構築に入ります。

弊会では、アンカーに巻き付けるスリングは建築用のスリングベルトを使用します。

建築用スリングベルトの破断荷重は100kN近いですし、幅が広いため建物を痛めず養生も少なくてすみます。

降下面とアンカーラインの角度、アンカーポイントの設定、水平面でのディビエーションやYビレイの方法などを伝え、自分達でアンカーを構築してもらいます。

それができれば、実際のビル外壁での登下降です。

まず、斜壁。これが怖い。

ここで登下降ができれば、30mくらいの壁は怖くなくなります。

 

 

 

 

 

 

 

あとは、自分達で降りたい壁を選んで頂き、ひたすらアンカーを構築しビルの外壁を登下降してもらいます。

17時、片付けを行い全ての講習が修了となります。

純ちゃん、松っちゃん、3日間お疲れ様でした。

次回、NSC Rescue講習に来て頂けるのを楽しみに待ってます!!

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

NSC Advanced講習(NSCパワーアッセンダー)

小倉です。

先日、山中で行ったNSC Advanced Rescue講習の動画ができましたのでアップします!!

NSCパワーアッセンダーで、合計85kgのストレッチャーと人形を120m引き上げました。

ルートには、樹木間が50cmの場所や倒木が重なっている場所があり、なかなか大変でした。

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

 

 

安全で便利なロープ高所作業用品の紹介です!(ランヤード)

小倉です。

今日は安全で便利な機材の紹介をしたいと思います。

機材の名前は、ペツル社の「プログレスアジャスト」です。

この機材を一言で説明すると、長さの調整ができるランヤードです。

これが発売される前は、ダイナミックロープとスペルジカ(ペツル社製)で確保をしていましたが、プログレスアジャストができたことで、高所作業が安全で楽になりました。

例をあげると、プログレスアジャストは長さが調整できるので、ビレイ時の落下係数を抑えることができます。

そして、平面でストレッチャーを運ぶ場合や、セルフレスキュー時のカウンターを当てる際も、自分の体にランヤードの長さを合わせることができるので楽になりました。

更に、アンカーを壁面に打ち込みながらトラバースを行って行く際も、プログレスアジャストの末端を引けば引いた方に寄っていくのでトラバースが簡単になり、プログレスアジャスト4本をストレッチャーに取り付ければ、ストレッチャーの角度調整が容易にできるようになりました。

特に、ONロープ状態の要救助者の荷重を抜きたい場合、自分の体重を使いカウンターを掛けるのですが、昔はスペルジカとカラビナでカウンターを掛けていたので、要救助者が自分より重いととてつもなく大変でした。

でも、プログレスアジャストの登場で、簡単にカウンターが掛けられるようになりました。

 

基本的なことですが、2点確保を行うために、最低3本のランヤードが必要です。

弊会では、プログレスアジャスト2セット(ランヤード4本)をメインアタッチメントに取り付け、そのうちの長さの調整ができない1本を「直」にハンドル付きアッセンダーに取り付けることを推奨しています。

最後に、ランヤードのカラビナには必ずキャプティブを取り付けること、そのカラビナはサイドのアタッチメントではなく、必ずギアループに掛けること、以上2点は業界のルールですので必ず守ってください。

写真には、ジャグとジャグトラクション(4:1 のメカニカルアドバンテージシステムを構成するためのダブルプーリー)が写っていますが、この便利な機材に関してはまた後日!!

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

AEDとロープ高所作業

小倉です。

ひょんな事からAEDが手に入りました。

ロープ高所作業を行っていますので、AEDが欲しかったんです……

でも高価過ぎて今まで手がでませんでした。

といっても本音はフルAEDが欲しいですが、、、贅沢ですね。

 

ロープ高所作業時に病気や怪我で仲間の体調が悪くなった場合、オンロープ状態でAEDは使えません。

ですから、迅速に仲間を安全なAEDの使える場所まで上げる若しくは下ろす必要があります。

この、上げる若しくは下ろす作業が最も大切で大変なのですが、弊社にはNSCパワーアッセンダーがあります。

おかげで、世界で最も迅速に要救助者を安全な場所まで上げたり下ろしたりすることができます。

もちろん、日常からセルフレスキュー訓練を行っているからなんですが。

 

AEDのバッテリーは、リチウム二酸化マンガン電池を使用しており非常に高価です。

バッテリーやパッドには寿命があり、バッテリーは3.6万円前後、パッドは1.2万円前後します。

都市部での作業時は、最寄りのAEDがある場所をロープ高所作業計画書内に記載してあり場所を把握していますので問題はありません。

しかし、山では、道路へ下りるだけで2時間、更に病院まで1時間かかる現場もあります。

今回、AEDが手に入った事で山へ行く際の安心材料が、一つ増えました。

ほんとうに良かったです!!

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

支点(アンカー)について(15kN)

小倉です。

支点に関して、いつもロープ高所作業特別教育やNSC講習で伝えていることを、ブログを読んで頂いている方にお伝えしようと思います。

まず、機材から!

機材は基本的にPPE(個人保護用具)でなければなりません。

PPEである以上、全ての機材は規格があり、使用する荷重が決まっています。

(ただし、弊社でも開発し販売している《パワーアッセンダー》というカテゴリーは、現在のところ世界的にPPEの規格がありません。そこで、JIS(日本工業規格)に働きかけパワーアッセンダー用の規格を世界で初めて制定しようと頑張ってみましたが、省庁間の問題で断念しました。)

しかし、最も大切な『支点』(アンカー)に関する規格は、世界中のどこを見ても、どんな文献を探しても、これを支点にしなさいとは記載してはありません。

ですから、支点は自分自身で決めるしかありません。

では、どうやって支点を決めればいいのか。

丸環がついているから丸環を使う、太い樹木があるからその樹木を使う、丈夫そうな設備機器(キュービクルや室外機)があるから設備機器を使う、梯子があるから梯子を使う、単管があるから単管を使う、車があるから車を使う、建物にウェビングやロープが掛かる場所があるから、そこを使う、あと施工アンカーが打ち込んであるからそのアンカーを使う…切りがないですが、その支点は万が一の衝撃荷重に耐えられますか?

支点を作成すると言うことは、支点の強度を知らなければなりません。

では、どうするか。

方法は二つあります。

自分が支点にするものの耐荷重を実際にテストする、若しくは支点にするものの勉強をする、かです。

例えば、丸環を例にあげれば、水平方向の引張荷重や上向きの引張荷重を実際にテストすることはできますが、15kN以上を掛けたテストに使ったその丸環は今後使用できなくなります。

それは、現実的ではありませんね。

話しは変わりますが、動荷重試験は、思い切り、丸環を壊すつもりで行って頂いて構いません。

どんなに思い切り蹴飛ばしても1.7kNしか掛かりませんから。

もし、それで丸環が壊れたらラッキーです。

オーナーに、「動荷重試験を行ったら丸環が壊れました。もし、この丸環にぶら下がっていたら私は死亡していました。試験で壊れてラッキーでした。」と報告して下さい。

話しを戻します。

残された方法は… 支点の勉強をすることです。

丸環を使うなら(できる限り丸環は使わないで下さい。)丸環の勉強、樹木を使うなら樹木の勉強、構造物を使うなら構造物の勉強をする。

それが自分や仲間の命を守ります。

キュービクルってわかりますでしょうか?

箱形で屋根にアイボルトが4つ付いています。

あのアイボルト、キュービクルを吊るための物ではありません。

キュービクルの中には、受電するための設備が納められていて、トランス1台だけで300~400kgあります。

それが、何台も入っているのに、アイボルト4本だけで吊ることができるはずがありません。

あのアイボルトは、受電設備を入れ替えるとき、キュービクルの蓋を外すために設けられています。

当然、耐荷重は数十キロです。

よく、キュービクルのアイボルトを支点にすると耳にしますが、絶対にやめて下さい。

(キュービクル自体が錆で腐食していなければ、養生をして、スリングやウェビングでキュービクルを囲ってしまえば問題ありません。)

エアコンの室外機にしても同様です。

室外機に圧縮機(鉄の塊)が入っていれば重量がありますので支点に利用できる場合もあります。

しかし、室内圧縮機と言って室外機に圧縮機の入っていない軽い物があり、支点として利用できない室外機があります。

樹木も同じように支点として使用できない物があります。

昆虫や鳥などに穴を開けられている樹木、成長する過程で大きな衝撃荷重を受けている樹木、ツルやツタが巻き付いて死んでいる若しくは死にかけている樹木、キノコが生えている樹木、など見た目は太くても支点として使用できない樹木が多々あります。

(反対に、直径10cmしかない樹木でも引っこ抜くのに、ユンボが必要な事も事実です。)

車も同じです。

通常、ホイールをハブに留めているボルトはM12以上あります。

M12以上あれば、1本当たり剪断の許容応力度が7kN以上、引っ張りで6kN以上あります。

しかし、それはちゃんと整備されていた場合の数値です。

私は10代の頃、ガソリンスタンドでバイトをしていましたが、エア式のインパクトレンチを使い、同僚がハブから出ているボルトをねじ切るのを何度も見ました。

もちろん、その車は整備工場へ運ばれ修理をしてましたけど…

梯子も同じです。

僕らも梯子を使用して室外機の搬入出を行います。

その時は、ステップを専用の金具で養生してからウェビングを掛け、ステップの一ヶ所に荷重が掛からないようにします。

(専用の金具が販売されています。)

もし、ステップを養生せずに100kgの室外機の搬入出を行ったらどうなるか…

ステップのセンター2cm幅に倍の2.0kN弱の荷重が掛かりますので、ステップは真ん中を軸にして折れ曲がる方向へ変形します。

すると、両端のステップのカシメがサイドバーから抜けてきて、最終的にステップがサイドバーから外れます。

すると、ウェビングに掛かった荷重は荷重を増しながら次のステップに掛かり、荷重が小さくなるまで次々にステップを破壊していきます。

建物も同じで、木造、軽量鉄骨、RC造、SRC造、S造など基本的な構造が違います。

支点にできるのは基本的に梁や柱であり、開口部であっても、柱の入っていない開口部もあります。

もう一度言います。

支点は自分で決めるしかありません。

使用する支点の勉強をする事、できるだけ重量物を選定する事、大きな「物」としてとらえる事、15kN以上に耐えられると確信のもてるものを選定する事!

自分の命は自分で守るしかありません。

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!