小倉です。
先日、水俣条約に伴う水銀ランプへの取替に関するお話をいたしました。
今日は、水銀ランプへの取替工事を行う際に注意すべき点についてのお話です。
工事を検討されている方には、ぜひ知っておいていただきたい内容です。
どうぞご覧下さい。
水銀灯を交換する資格
最近、ロープ高所作業(ロープアクセス)ができるからといって、資格も持たずに建築工事を行っている業者が存在します。
資格を確認せずに頼む方も問題ですが、資格を持たずに仕事を受ける方はもっと問題です。資格を取るためには多大な費用と時間が掛かり、資格を取得した後も費用と手間が掛かります。
安いからといって安易に業者を選ばず、資格を確認する位のことはお客様に行って頂きたいと思っています。(お客様には作業員名簿(資格証コピー含む)、社会保険加入状況調査票を確認して頂ければと思います。)
特に、今回の対象は、電気工事ですから無資格は許されません。
電気工事に関しては、作業員は最低でも第二種電気工事士と電気工事の経験が必要となります。電気工事会社としては都道府県への電気工事業の登録と500万円以上の工事を行うなら電気の建設業許可が必要になります。
資格の必要性
一般的に感電する最低電圧は、42V(死にボルト)と言われています。
ましてや、水銀灯は200V以上の電圧が掛かっており、ケーブルの太さにもよりますが、感電すればケーブルが焼き切れるか設備が損傷するまで人体に電気が流れ続ける危険があります。
ロープにぶら下がっている最中に電気事故を起こせば感電による火傷や心停止、そしてロープ焼損による墜落が考えられ、設備に関して言えば、最悪は変電設備の損傷など、莫大な復旧費用と日数が掛かる可能性もあります。
それらを防止するには、電気の勉強を行い、資格を取得し経験を積むしか方法がありません。
学ぶと言うことにおいて
ロープ高所作業特別教育の必要性も記載します。
ロープ高所作業特別教育を受講すると、ロープ高所作業調査票とロープ高所作業計画書の作成方法を学びます。この調査票と計画書は、ロープ高所作業(ロープアクセス)を行う上で、書類の作成が法的義務となっています。
お客様には、必ずこの調査票と計画書、そして作業員名簿(資格証コピー含む)、社会保険加入状況調査票を確認して頂きたいと思います。
高圧電気事故(電気火災による火傷)
余談ですが、(一社)ロープ高所作業協会が行う、ロープ高所作業特別教育でいつも伝えていることがあります。
電柱の上部に3本か4本で布設されている高圧ケーブルに関しての注意事項です。
高圧ケーブルには6600ボルトの電圧が掛かっています。
被服があるので電線に触れても大丈夫そうに見えますが、電圧が高圧のため絶縁されているわけではありません。
ロープ高所作業(ロープアクセス)の支点は、金属であることも多く、システムはアースされています。もし、雨で濡れているロープが風で流され高圧ケーブルに触れれば、ロープに電気が流れロープが焼損し墜落、もしくはその電圧が身体に掛かれば感電します。そして感電した場合、約3300Vの電圧がロープや身体に掛かり、電気火災の被害者となります。
電気火災による症状は、普通の火災(表面から焼けていく)とは違い、身体の内側である筋組織に電気が流れ、筋組織に火傷を負います。電圧や時間にもよりますが、生きていたとしても二度と筋組織は元には戻らないと言われています。
実際に、何年か前にロープ高所作業(ロープアクセス)中に、高圧に触れた作業員1名が亡くなっています。資格を取得し経験を積み、調査を行い計画書を作成することで事故を減らすことができます。
注意して水銀灯ランプの取替工事を進めて下さい
弊社では、資格を持ち経験を積んだ作業員が工事を行わせて頂きます。