こんにちは。ロープのケンさんです。
みんながロープ高所作業始めたら、競合が増える一方?
以前の記事で、「ロープ高所作業で、仕事幅も、参入できる分野も大きく広がる」とお伝えしました。
でも、
「それをみんなができるようになったら、競合が増える一方では?」
との疑問も生じますよね。
僕は、競合が増えるというよりも、それ以上に、高所ロープ作業の現場数とニーズがますます増えると確信しています。
その理由はいくつもあります
例えば、高度成長期に建設されたビルや倉庫、それに橋梁、鉄橋、風力発電設備などのインフラ関係。
それらの点検・補修は欠かせません。
が、実際は、予算が厳しいからと、定期点検や補修を怠っていたり、あるいは、損傷が進んでから事後保全している現場がほとんどです。
さらに、情報通信関連も注目です。
基地局のアンテナ、通信用の鉄塔、ビル屋上基地局のアンテナ支持柱など。
これらも定期的な点検・補修が必要ですし、今なお各地に増加中です!
IoTが今後進んでいけば、ますます情報技術関連は、点検や補修の観点と同時に、予防保全が重視されていくでしょう。
いずれロボットが高所作業を担うような時代になったとしても、そのロボットが作業現場で故障したら、回収・修理を施すのは、人間です。
その高所の現場へ、修理できる人間が行かなければなりません。
ドローンもしかりです。
“ロープで作業する人間しか行けないところ”
“ロープだからできる、わけあり現場”
そのすべてが、ロープ高所作業が活躍できる分野・参入できる市場となるのです。
もう一つ、大きな理由
もうひとつ、みなさんにも身近で大きな、ロープ高所作業の現場数とニーズがますます増えると言える理由があります。
ロープによる高所作業が注目を集めるきっかけになった出来事。
2016年1月1日に施行された、労働安全衛生規則及び安全衛生特別教育規程の改正です。
ご存じの方も多いと思いますが、この改正により、法面保護工事やビルメンテナンスなど高さ2メートル以上の箇所で、ロープで身体を保持しつつ行う作業は、ライフラインの設置、作業計画書の策定などのほか、特別教育の実施も新たに義務づけられました。
当社でも「ロープ高所作業特別教育の講習」をこれまで35回以上開催し、僕も講師として受講者のみなさんにロープ高所作業に関する安全対策をお伝えしております。
ここで定義されている“高さ2メートル以上の箇所”となると、さまざまな現場・業界・職種が該当します。
ということは、実作業に携わる現場関係者だけではなく、さまざまな業界・立場の方が、ロープ高所作業の可能性を知る機会にもなります。
これまでのやり方“仮設足場や高所作業車が当たり前”の考えから、それらを使用しない“ロープ高所作業の可能性”を知るきっかけになったとも言えるんです。
当然のことながら、発注事業者や元請けさんだけでなく、ビルオーナーや管理会社、管轄する自治体や機関なども含まれるでしょう。
今後、費用だけではなく様々な理由で仮設足場や高所作業車を使用した場合の見積もりと、仮設足場や高所作業車を使用せず、ロープによる高所作業を行った場合の見積もりとを比較検討していくことになるでしょう。
コストと工期だけで、安全を無視して工法を判断するのは僕は間違っていると思っていますが、少なくとも、足場や高所作業車に代わる「ロープによる高所作業」が多くの人の選択肢に加わった、とだけは言えるのではないでしょうか。
ロープ高所作業、一緒に取り組んでみませんか?
僕は身をもって、ロープによる高所作業の安全性を実証してきました。
空調設備のプロフェッショナルから、ロープ高所作業のプロフェッショナルを目指したことで、活動フィールドが「ロープ高所作業が望まれるあらゆる業界」へと広がっています。
たとえば、橋梁の洗浄。
特に沿岸部や雪が積もる地域の橋梁は、塩害により多大なダメージを受けるため、真水による定期的な高圧洗浄が必要とされています。
日本の15m以上の道路橋は、全国にいくつあるかご存じですか?
約152,000橋。50年後には全橋梁の約半数以上が建設後50年を経過するそうです。
とうてい、100人や200人では洗浄どころか点検もしきれません(笑)。
真面目な話、台風や火山、地震も多い日本列島です。
ビルや倉庫、橋梁、鉄橋、風力発電設備、通信基地局や鉄塔、アンテナ、どれも大型建築物ですし、点検補修を怠って、万が一のことがあったら大惨事です。
ロープ高所作業ができるプロの職人を待っている現場が日本中にこんなにもあるのです。
そうそう現在、ほぼ5年ごとに、6人の職人さんが約1年がかりで行っている東京タワーの塗装補修。
いつか僕もやってみたいです。
きっとロープ高所作業で行えば1年かからないと思います。
高層建築物がこの世にある限り、ロープ高所作業の活躍する舞台があるのです。
あなたも一緒にやりませんか?