こんにちは。ロープのケンさんです。
ロープ高所作業って何ができるの?
「高所での作業はうちもやっているし分かるけれど、ロープ高所作業って、どういうこと?」
はい、お話しします。
高所作業とは、文字通り、高い場所で工事などの作業をすること。
ロープ高所作業とは、 高い場所で工事などの作業を“ロープを使用して”行うことです。
高い場所、ってどのくらいかというと
労働安全衛生法では、地上から2m以上。
意外と低いと感じる方もいらっしゃるでしょうか。
でも実際は、たとえ2mでも、万が一落下して打ち所が悪ければ最悪の結果もあるでしょう。
資材や工具を落下させれば、作業者だけでなく周りの人まで危険に巻き込みます。
さらにもっと高所で作業する、となれば、より安全面を徹底しないとなりません。
僕は業務用空調設備工事をメインに、ビルの外壁調査や補修工事、電気・水道・建築設備工事など、高所での作業に就いて30年以上になりますが、13年ほど前から、足場を使わず、ロープでの高所作業を得意としています。
どれくらいの高所かというと、ビルだと50mほど、橋梁では100m、最近では、山頂に立つ高さ300m近い通信アンテナまで。
もちろん平地での工事作業もやっていますよ。
ロープを使うと、仕事幅も参入できる分野も大きく広がる
設備工事の世界に入って30年ですから、これまで、さまざまな現場を経験してきました。
直にご依頼をいただくこともありますし、元請けさんから、あるいは下請けの協力会社の一員として、お声をかけていただく仕事もあります。
元請けさんや親方たちが集うと
話題に出るのは、やはり景気のこと。
競合他社の増加、ネットでの価格競争、相見積もりによる値引き合戦など、果てのない体力勝負のような状態で、気弱になっている経営者も。
「資材が高騰しているし、人員確保も難しい」
「工事の値下げ圧力が増している」
「厳しい予算を提示されて困っている」
「これ以上のコスト削減は難しい」
「人件費を下げるために無理な工期短縮を迫られている」
「長年付き合いのある足場業者を変えるのは忍びない」
「たが実際に変えたところで、手間のわりにはコストに大差なかった」
「どこでどうやって、うちの利益を確保したらいいのか」
そんな声をよく耳にしてきました。
僕もロープと出合わなかったら、ロープ高所作業の特殊技術工法を自社開発しなかったら、もしかすると今頃、そんな弱音を吐いていたかもしれません。
でも、
ロープと出合い、その可能性に魅せられ、独自のロープ工法をあみ出したことで参入分野が広がった
んです。
ノン・スキャフォールディング工法®
それが、高所作業を行うため安全面を強化した、ロープ高所作業の特殊工法
「ノン・スキャフォールディング工法®」(NSC工法)
(2015年6月国土交通省NETIS登録。No:QS-150005-A)
です。
ノン=無し
スキャフォールディング=足場
その意味の通り、最大の魅力は、仮設足場も特殊車両も使用せず、高所での作業ができること。
これにより、仮設足場を使用せず、高所作業車や橋梁点検車などの特殊車両も使用せず、高所での補修工事や設備工事を可能にしました。
もちろん作業現場では、刃先や刃物のついた電動工具も、火炎3000℃以上の溶接機も使います。
仮設足場が設置できない、あるいは設置を望まれない現場。
アンテナ鉄塔や橋梁など、作業車スペースが取れない、あるいは作業場所まで高さが届かない現場。
ありますよね?
ほかにも、予算が厳しい、工期期限に制約があるなどで、設備工事や補修点検を諦めてしまったこと、ありませんか?
ロープなら可能性がぐっと広がります。
ですが
長年ロープを使って作業してきた僕も、「すべての現場をロープだけで!」とは思っていません。
正直に言ってしまいます。
強風時にロープ高所作業はできません。
できないというより、しません。
法令で定められている通り現場測定の結果が10分間平均風速10m/秒を越える場合に作業中止するのはもちろん、より安全に配慮するため、工事日前日にtenki.jpで風速をチェックします。
風速が5m/s以上であればその時点で看板工事は中止、その他の工事も常に風速を確認しながら工事を行っています。
また、面積の広い建物の外壁打診調査や補修、シール・タイル洗浄、塗装など、仮設足場を組んだほうが作業動線も効率も良いケースもあります。
ただ、それ以上に、仮設足場も特殊車両も使用できない現場が日本中にたくさんあるのです。
仮設足場や高所作業車、ロープを組み合わせることで、
・ コスト削減ができ
・ 工期短縮もでき
・ 効率性がよくなる
ケースも多々です。
つまり、足場・作業車・ロープを組み合わせられる、選択肢を広く持てる。
これは大きな武器になります。
現場の状況、発注元や元請けの意向、予算、人員面などの諸条件から、
「この現場は、どの方法がベストか?」
そう考える時に、仮設足場や特殊車両だけしか選択肢がないのと、ロープ高所作業を組み合わせられる、とでは大違いです。
仕事幅も、参入できる分野も大きく広がります。
もちろん、ロープ高所作業ができるようになるには、技術習得と徹底した安全対策が不可欠です。
その初めの一歩が、2m以上のロープ高所作業に義務付けられた特別教育。
「本当にロープで、仕事幅も、参入できる分野も大きく広がる?」
はい!
その理由はまた次にお話しましょう。