資格というものについて(ロープ高所作業特別教育が始まり5年経過)

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小倉です。

今回は、私が考える資格について書いてみます。

まず、皆さんはなんのために資格を取得するのでしょうか。

罰則があるから、自分の向上心、会社から言われて、仕事を受注するため、会社を興すため、給与を上げるため、など様々な理由があると思います。

私は資格を取得しますし発行もしますが、突き詰めて考えれば全てはお金儲けのためです。

ただ、自分のお金儲けだけの為ではありません。

私の考える資格業のゴールは「受講者が一生食っていける技術を身につける。」ことだと思っています。

NSC水銀灯講習は5日間で22万円ですが、たった22万円で一生使える技術を身につけることができれば、とても安いものだと思います。

話しは戻りますが、世の中には、様々な資格があります。
国が決めたもの、民間の団体が決めたもの、個人が決めたものなど。

国家資格から民間資格まで含めると、日本だけで何万種類もの資格が存在します。
更に、国によっても違いますので、この世には数え切れないくらいの資格が存在します。

その資格の中には、人の命を守るために制定されたものもあります。
しかし、人の命を守るためにつくられた資格でも、ほとんどの資格は、お金儲けのために使われています。

かくいう、弊会のNSC講習やロープ高所作業特別教育も同様です。

弊会も会社として、ボランティアで講習を行い、ボランティアで資格を発行することはできません。

基本的に、資格はお金儲けのために作られていますので、その内容も、完璧なものは存在しません。
完璧なものを作ってしまえば、資格の内容が厳しくなり、合格するのはわずかなごく一部の人間だけとなり、資格は広まらず、誰もその資格を必要とせず、お金儲けができなくなるからです。

建築士の試験を例に取りますと、構造計算ができなくても、試験に合格することができます。
あと施工アンカー資格にも構造計算が出てきますが、1時間の講義だけで、構造計算が理解できるはずもありません。
でも、みなさん、合格します。

資格は、資格発行者が自分達の都合のいいように(受講者にある程度の知識と経験があれば合格できるように)作られています。

私もかなりの数の資格を保有してはおりますが、資格というのはそんなもんです。

資格を提出させる側(お客様や元請)からしてみれば、資格証を持っていれば、その作業員が、実際に作業ができようができまいが関係ありません。
資格証があれば、元請側が自分達で個々の作業員の技量をチェックする必要がなく、非常に便利ですので。

ただ、職人として資格を取得することは必要です。
建築士試験なら、学科試験を合格するために何十時間も勉強し、製図試験を受かるために何十枚もの図面を書きます。

その勉強自体が、全て自分自身への投資となり、将来必ず自分に帰って来ます。
逆に言えば、自分に投資(勉強)を行わなければ、将来はありません。

建築関係の仕事に就かれているなら、是非、毎年資格試験にチャレンジして頂きたいと考えています。

ロープ高所作業の資格と安全に関しまして

ロープ高所作業特別教育が始まったことにより、国内での死亡者が増えました。
今後、もっと死亡者が増えれば、ロープ高所作業特別教育も変わっていくのだろうと思いますが、何人亡くなれば良いのでしょうか。

いつも講習で伝えておりますが、安全は自分で決めるものです。
いくら資機材がPPE(個人保護用具)でも、支点が破壊すればPPEなど何の意味もありません。

支点を構築するなら、構築する支点の勉強を行うことです。

ちなみに、ロープの本数も関係ありません。
ロープが100本あっても、ちゃんと結べていなければロープは全て解け墜落します。
逆に、全てがちゃんとしていれば、ロープが1本でも墜落しません。

ただ、私達は人間ですから、100%を求めることには無理があります。
それに、ロープを使っていれば、自然的な要因も絡んできます。

よって、私も仕事では必ずバックアップを使用しています。

結局、どのような資格を取ろうと、最後は自分です。
自分の安全は自分で勉強をして守る!!
これにつきます。

それでは本日はこの辺で。

皆様、ご安全に!!

ぜひつながってください